さて、一部予告していた文庫本の、カバーデザインと定価が決まりました。
『零戦隊長 宮野善治郎の生涯』(光人社NF文庫)
定価:1280円+税(税込み1382円)
発売:2月19日(予定)
(帯の文言は少し変わるかも知れません)
10年前に上梓し、いまなお熱烈な読者がいてくださる私の初の長編ノンフィクション『零戦隊長~二〇四空飛行隊長宮野善治郎の生涯』(光人社)が、5年前の新装版を経て、主人公の生誕100年を期して待望の文庫化です。
文庫化にあたっては、その後に判明したことなどもふくめて加筆訂正を加え、よりリファインを心がけました。
巻末の文庫版解説は、一昨年文庫化された『特攻の真意 大西瀧治郎はなぜ「特攻」を命じたのか』(文春文庫)に続き、NHK考証担当シニアディレクター・大森洋平氏が書いてくださっています。
文庫本としてはかなりのお値段になってしまいましたが、700ページ超(単行本は600ページ弱でした)と、光人社NF文庫としては歴代二番目の厚さということで、諸材料費高騰の折柄、これ以上安くできないとのことで、恐縮です。
それでも、単行本が税込み2916円だったところ、半値以下となるわけで、持ち運びやすくなったことを思えばお得かな、と。
もちろん、著者が自分で言うのもなんですが、内容はかなり濃く、取材にかけた手間や経費はもちろん、宮野善治郎や第二〇四海軍航空隊、ガダルカナル航空戦などについて、今後これほど膨大な当事者への直接取材は不可能であることを思えば、お買い得だと思います。
単行本を一冊買ったつもりで二冊買うのもありかな、と……。
内容:連日の激闘のなかでも常に明るさと部下への思いやりを忘れず、上下の輿望を一身に集めた海軍大尉・宮野善治郎。無謀な戦争への疑問を抱きながらも、困難な任務を率先して引き受け、ついにガダルカナルの空に散った若き戦闘機隊指揮官の生涯を描く――伝説に彩られた「ラバウル航空隊」の実像に迫る。
宮野善治郎は大正四年十二月、現在の大阪府八尾市植松に生まれ、私の母校・大阪府立八尾高校の前身・旧制八尾中学を卒業。海軍兵学校を経て、植松村初の海軍士官となり、選ばれて戦闘機搭乗員となった人。
私は高校一年のとき、体育科の大木行徳先生から、先生の後輩に宮野善治郎という零戦隊長がいたことを聞かされ、その後、長いブランクを経て零戦搭乗員の取材を始めたことから、不思議な縁が縁を呼んで、11年がかりで資料を集め、関係者を訪ねて書き上げたものが初版でした。
貴重な写真も100枚以上入っています。
皆様、どうぞよろしくお願いします。
図書館で借りて読むのではなく書店、またはネットで新本をご購入いただければ嬉しいです!